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テニスLB面白半分日記 LB(レーザービーム)は所属サークルでの通称。周囲(サークル仲間)からは嘲笑されているにもかかわらず、うぬぼれ屋の本人は気に入って自称しており、自己中心的な戦歴を勝手気ままに記載している。

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090329 ばくがてつどうの夜

 フナドマリ公園での3戦後、14号線向かいのサイゼリアでワイン。本日の参加者は6名。トミー&キリキリ、ヘロヘロ&オハ、エルビー&イケイケ。いつもいるひげおやじ、最高さんはお仕事でいそがしい。イケイケと組んで2勝1敗でまあまあの出来だが、今日で4連休も終わりかと思うと悲しくて涙が止まらない。フナドマリ公園を抜けて、よたよたと帰宅。夕暮れ。夜空までが星の涙でキラキラしはじめた。
 ふと気がつくと、どこかでふしぎな声が、安楽亭、安楽亭という声がしたと思うと、いきなり目の前がぱっと明るくなって、エルビーは思わず何べんも目をこすってしまいました。さっきからがちゃがちゃがちゃがちゃ、エルビーの乗っているぼろぼろ自転車が夜空の中を走っています。すぐ横をならんで走っている、ふけ顔でひげのこい少年に気がつきました。それはカンパイらだったのです。
 「イケイケはもう帰ったぜ。コストコに買い物にきた奥さんにいつまで飲んだくれてるのって、ひっつかまって連行されたんだ。」カンパイらは、なぜかそういいながら少し顔いろが赤黒く、どこか苦しいというふうでした。するとエルビーも、なんだかどこかでワイン代を支払わなかったような忘れ物があるようなおかしな気持ちがしてだまってしまいました。
   (略)
 「月夜でないよ。麦芽だから光るんだよ。」エンビーはいいながら、まるではねあがりたいくらいゆかいになってワンカップの中のきれいな水を見続けていました。そのきれいな水はガラスよりも水素よりもすきとおって、ときどき目のかげんかちらちらむらさきのこまかい波をたてたり、虹のようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れてゆき、14号線にはあっちにもこっちにも燐光の三角標がうつくしく立っていたのです。とりわけちんじゃらちんじゃらと少し音が漏れているネオンで美しくかざられた宮殿のような建物が、ひときわ輝くなか、財布を握り締めた少年が小走りに中に入っていきました。「あれ、いまのヘロヘロじゃないの?」とつぶやくエンビーに、「だらら~、俺はもうすっかりよっぱらちまった~」とカンパイらが騒ぎ出しました。女子高校生たちが不安そうに2人を遠巻きに眺めています。
   (略)
 「もうじき安楽亭だねえ。」
 「ああ、11時半かっきりにあくんだよ。」
 二人はちょうど安楽亭停車場の大きなマンホール上にきてとまりました。
 「ぼくたちも入ってみようか」
 店内は始まったばかりというのにもう既に結構こみあっています。イルカにのった中年のおじさんが「ライスおかわり」と叫ぶなか、イルカは中年のおじさんが重いようで「イルカ語で「最高!最高!」とうめいています。カンパイらはいつものようにリュックの奥から割引券のコピーの束を引き出し、「ビールとレモン杯6人分づつサービスで!」と叫んでいます。
(どうしてぼくはこんなにかなしいのだろう。ぼくはもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。(略)ああ、ほんとうにどこまでもどこまでもぼくといっしょに行くひとはいないだろうか。カンパイらだってあんなに店のおばさんとおもしろそうにはなしているし、ぼくはほんとうにつらいなあ)とえんベーが思った時、「もう、テニスはしませんっていってるでしょう!」と店のおばさんが怒って、カンパイらに水をぶっかけました。カンパイらはいつも店のおばさんに「一緒にテニスしませんか?」としつこく誘っていたのです。
 店からたたき出され、「さよなら。」のんべーはまるで笑い出したいのをこらえておこったようにぶっきらぼうにいいました。
 「カンパイら、またぼくたち二人きりになったねえ。どこまでもどこまでもいっしょに飲もう。ぼくは酔っ払って生垣に倒れ込み血だらけになったメタボちゃんのようになってもかまわない。」「うん、ぼくだってそうだ。」カンパイらは草むらにむかってゲエゲエしています。胃が苦しくてその目には涙がうかんでいます。「カンパイら、ぼくたちいっしょに飲もうねえ」のんべーがこういってふりかえってみましたらもうカンパイらの形は見えず、ただかすかな異臭の痕ばかりが漂っていました。
   (略)
 エルビーは目を開きました。フナドマリ公園の草むらのなかでよっぱらって眠っていたのでした。エルビーはよろよろと自転車を起こしました。まだ夕ご飯を食べないでまっているはずはない家族のことが胸いっぱいに思い出されたのです。
 検見川のいちばん下流の方へ洲のようになって出たところに人の集まりがくっきりまっ黒に立っていました。エルビーはどんどんそっちへ走りました。
 「エルビー、カンパイらが川に飛びこんだんだよ」
 「どうして、いつ」
 「最高さんがね、イルカの上で携帯電話をとりだそうとして、水に落っこちたんだろう。すると、カンパイらが、市民の皆さん大丈夫ですか~?とすぐに飛び込んだんだ。最高さんはイルカにつかまった。けれどもあとカンパイらが見えないんだ。」
 下流の方は川はばいっぱい銀河が大きく写ってまるで水のないそのままのそらのように見えました。
 エルビーはそのカンパイらはもう昨年閉店した老舗の飲み屋稲毛亭のテーブルのすみっこにしかいないという気がしてしかたなかったのです。(完)
日記 | 投稿者 LB 20:13 | コメント(1) | トラックバック(0)